吐露サーモン

面白かったこと、昔の思い出などを女々しく語ります

パトレイバー2 南雲姐さん雑感

映画の中で不可逆の流れを見た瞬間が誰しも一度はあるのではないだろうか

 

しなの川で、由美かおるが傘をぶん投げるシーンだったりと、映画の流れを決定づけて不可逆のものにしてしまうシーン。タクシードライバーでは銃を入手するシーンだったりする。

 

 

ではパトレイバー2において、流れの決定づけはどこで行われたか。

それはベイブリッジへのミサイル攻撃でも、幻の爆撃でも治安出動でもなく

 

南雲しのぶと柘植との接触シーンだったと思う

 

 

このシーンには “流れ” を意識づける要素が多分にあった。

降りしきる雪。時間の流れを示す電車。流れ続ける河。そしてそこに揺られる南雲。

 

河に揺られるということは、柘植との遭遇タイミングは南雲にある程度意識されてたんじゃなかろうか。五分だったのか10分だったのか。その間南雲は何を思ったのか。

在りし日の柘植との思い出の回顧だったのか。柘植を射殺する覚悟だったのか。はたまた後藤のことが過ぎったのかもしれない。

 

しかし 柘植は南雲を拒絶し、エンジンを吹かせ河を疾走。逃走していった。

 

南雲は拒絶された。

このシーンが象徴したのは、流されるままに生きる日本国民との離別であったのかもしれない。

 

パトレイバー2の流れはかくして決定づけられ、各々の役割が再確認され、強調された。

 

柘植のテロルはその本格的な攻撃性を備え始め、南雲は柘植、ひいては国家権力を止めることになる。